VRは、今まで実現不可能だった体験をあなたにもたらしてくれます。たとえば、空を飛んだり海の奥深くを探検したり、ゲームの世界に自分が入ることもできます。
しかし、いくら臨場感あふれるVR体験にも限界はあります。
VR内で何かに触ったとしても、触った感覚がするはずもないので、それらが存在しないものと実感してしまうのです。
VRで触れたり、掴んだりできる?
そのため、触れていなくても触れるように感じる、「触覚」の再現の技術も積極的に研究されています。
そしてついに、VR内で触れたものの感触を再現するグローブが発表されたのです。
この触覚デバイスは、exiii株式会社が開発した「EXOS」というグローブです。手に装着することで、VR内で物に触れたり持ったりする感触が伝わってきます。
EXOSの仕組みは、内部のモーターが力を加えることで様々な触感を表現しています。現在、200段階ほどの触感を調整して表現することができます。
EXOSは、「物を触れる」触角と「物を掴む」触覚に応じて、2つのデバイスが用意されています。
では、それぞれを紹介していきましょう。
EXOS Wrist DK1
「EXOS Wrist DK1」は、前後方向と左右方向の二方向へ力をかけることで、VR内のオブジェクトに「触れる」感覚をリアルに再現するデバイスです。
アタッチメントを交換することにより、Vive ControllerやOculus Touchとの同時使用も可能で、製作済みのコンテンツにも対応することができます。
さらに、イベントに対応した触覚の追加も可能で、「銃を撃つ」「ボタンを押す」などの感覚を楽しむこともできます。
EXOS Gripper DK1
「EXOS Gripper DK1」は、指の開閉方向へ力を加えることで、VR内のオブジェクトを「掴む」感覚をリアルに再現するデバイスです。軽量かつシンプルなデザインのため、違和感なくVRとの連動を楽しむことができます。
日産自動車もVR導入を検討
日産自動車では、EXOSをカーデザインの改善に取り入れようとしています。
VRとEXOSを活用すれば、「ハンドルやバックミラーの位置」「運転席からの各種ボタンの押しやすさ」などをデザイン段階で確認することができます。
従来のカーデザインは、専用の粘土材を使用したクレイモデルを造形することでこれらの評価を行っていました。
しかし、クレイモデルの制作には数千万円のコストがかかります。
そこで、VRとEXOSを活用すれば、大幅にコストが削減できるというわけです。
また、評価の段階で気になったことがあれば、即座にデータを編集・反映することも可能となります。
VRはあらゆる分野で開発されています
このような開発分野だけでなく、エンターテイメントでの活用も想定し、exiii株式会社ではコンテンツを制作するパートナー企業、開発者を募集しています。
今後、さらに技術が発展すれば、より幅広いVRの活用が期待できます。
さらに、今より臨場感あふれるVRを体験することができるでしょう。
映像だけでなく、触覚の再現の技術からも今後は目が離せませんね。