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VRで南海トラフ地震に備える!JR西日本和歌山支社の災害訓練を紹介

近い将来、南海トラフを震源とする大地震の発生が予測される中、津波発生後の避難対策が大きな課題となっています。

特に、多くの人が利用する鉄道では、地震や津波から乗客を守るための災害対策が必要です。

災害が起こったときは、鉄道を止めるか走り抜けるかの判断が生死を分けるため、もしものとき冷静に判断できる訓練が不可欠です。

 

JR西日本和歌山支社では、南海トラフ巨大地震に備えVRを活用した災害対策ツールを導入しています。

この災害対策ツールは、JR西日本とKDDIが共同で開発したもので、運転士のさらなる判断力の向上を目的としたものです。

VRを活用し、リアリティあふれる災害訓練を実施することで、もしものときに正常な判断を下せる判断力を培うことができます。

 

 

南海トラフ地震で最も危険な路線

南海トラフ地震は、東海・東南海・南海エリアが震源域になると想定される地震です。これまでは、約90年から約150年間隔で発生しています。

内閣府が2013年に発表した南海トラフ巨大地震対策によると、今後30年で発生する確率は6070%にも上るそうです。

 

和歌山県の和歌山から三重県の亀山までを結ぶ紀勢本線は、南海トラフ地震による津波の影響を最も受けるとされる路線です。

海沿いを走る区間が多く、南海トラフ地震が発生した際は、総延長の3分の1が津波により浸水されると想定されています。

特に、和歌山県の南部に位置する新宮駅から白浜駅のエリアは、地震発生から5分以内に10メートルを超える津波が押し寄せると想定されており、いざというときの乗客の避難誘導や乗務員の安全確保について、早急な対策が必要とされています。

 

この対策の一環として、今回のVRコンテンツは開発されました。

では、コンテンツの内容を詳しく見ていきましょう。

 

避難行動の演習コンテンツ

 

 

新宮~串本駅間、43kmの実際の映像を、運転士の視点で 360°見渡すことができます。

訓練者は、津波発生の合図とともに、「電車を止めるか走り抜けるか」「どこで停車するか」「乗客をどこに誘導するか」を判断し、コントローラーで電車を動かします。

 

このコンテンツでは、停止させた位置と連動した「想定浸水深」「列車の位置から最寄りの避難出口」「高台の位置」などをVR 画面上に表示することができます。

これにより、実際の地理と重ね合わせて確認することができるのです。

また、訓練に関するデータは、津波発生の地点やその際の対応などをログとして抽出でき、次回の訓練に活用することもできます。

 

地震・津波発生疑似体験コンテンツ

 

 

紀勢線にある実際の橋りょう付近の360°動画を、運転士の視点で撮影しています。

高解像度で表示される運転風景にCGを重ねることで、津波による被害の様子をVR空間上に再現しました。

これにより、地震による津波発生という万が一の自体を、よりリアルに疑似体験することが可能となります。

 

これらの訓練は、主に運転士に向けて実施されます。訓練は指導者と運転士が一組で行い、運転士の視界はディスプレイなどで指導者や他の参加者が確認することができます。

これにより、訓練者の行動について訓練後にディスカッションすることができ、より良い判断や行動について検証することができます。

 

 VRを危機管理に使用する企業は増えて来る

VR機器と実写VR動画コンテンツを活用した、鉄道会社の運転士向け訓練用ソリューションは、日本で初めての取り組みとなります。

近い将来起こるかもしれない地震に備えて、VRを活用した災害訓練が広まって欲しいと思います。

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