すでに多くの企業で、臨場感あふれる体験を顧客に提供するためにVRの活用方法が模索されています。
VRはマーケティングの手法の一つとして急速に広まっており、認知度の向上、エンゲージメントの促進、顧客体験の向上に活用する企業も増えてきています。
2018年中には、VRユーザーが1億7100万人に達すると見込まれており、2014年から右肩上がりに増加しています。
ますます多くの人の注目を集めるVR技術は、企業のブランディングにとっても魅力的な技術といえるでしょう。
まだまだ発展途上なVRですが、マーケティング戦略に活用した企業からは成功事例がいくつも生まれています。
そこでここでは、VRを活用する企業の実例を6つ紹介していきましょう。
マリオットホテルでのVR導入事例
マリオットホテルはFramestore VR Studioと提携し、VRによる旅の仮想体験を宿泊客に提供しています。
「Teleporter」と呼ばれるこのシステムを利用すると、部屋にいながらハワイのビーチやロンドンの街を実際に訪れているような体験を楽しむことができます。
特に旅行業界はVRとの相性がよく、その活用には期待が持てるでしょう。
旅行業界にとって最も重要な課題は、消費者に「そこに行きたい」と思ってもらうことです。マリオットホテルはVRを活用して、実際に旅先を訪問する意欲を沸き起こすことに成功しています。
そのためVRは、旅行業界にとって大きなチャンスをもたらす可能性を秘めています。
旅行業界で成功を収めるには、VRの最先端にいる必要があるかもしれませんね。
ジャガーでのVR導入事例
ジャガーは、ウィンブルドンのスポンサーシップを印象的づけるためVRキャンペーンを展開しました。
その内容は、アンディ・マレー選手になって、ウィニングショットを決める体験ができるというものです。
このVR体験は、グーグルカードボードを使用することで体験できます。
まず、テニススタジアムの敷地を飛び回る体験から始まり、センターコートに着地します。
その後マレー選手の視点に切り替わり、1万4000人のファンの前で、ウィニングポイントを決める体験をすることができます。
この体験は非常に印象的で、ターゲットとなる視聴者をひきつけました。
VRを効果的に活用し、ブランドイメージを強化した成功例といえるでしょう。
ボルボでのVR導入事例
ボルボは、VRアプリを通じて新しいSUVの試乗を提供しています。
消費者は、グーグルカードボードを使用することで、店にいながらバンクーバーの道路を運転する体験ができるのです。
VR体験は、幅広い人々に斬新な体験を提供し、新車への期待を高めることに成功しました。
マクドナルドでの導入事例
マクドナルドは、これまでにも最新のマーケティング戦略を取り入れ、数々の成功を収めてきました。
そのため、VR技術を取り入れることは必然ともいえるでしょう。
スウェーデンのマクドナルドは、組み立てるとVRヘッドセットになるハッピーミールボックスを開発しました。
さらに、ただヘッドセットを提供するだけでなく、ヘッドセットに付属のゲーム「Slope Stars」を楽しむこともできます。
このアイデアは、来店者数を予想以上に向上させることに成功しました。今後は、世界中で展開される可能性もあるでしょう。
レベッカ・ミンコフでのVR導入事例
ファッションブランドのレベッカ・ミンコフは、オリジナルの組み立て式VRヘッドセットを販売しました。
スマホにアプリをダウンロードしヘッドセットに取り付けることで、VRでのファッションショーを体験することができます。
このアプリは、ブランドをより身近なものにすることに成功しました。
また、より多くの人にファッションショーを体験してもらうきっかけにもなりました。
これ以降、様々なファッションブランドがARやVRを試験的に投入しています。
ファッション業界でも、VRへの投資は不可欠になるかもしれません。
これらすべての事例が、これからのマーケティングにおいてVRが有効であることを示しています。
しかし、消費者は完全にVRを受け入れいれる用意ができているのでしょうか?
消費者はVRを受け入れる準備ができている?
消費者は常に新しい体験に、高い関心を持っています。
そのため、VRは企業のマーケティング戦略にとってとても有効な手段といえます。
しかし現状は、すべての企業がVRで達成したい目標を達成できる状況ではないといえるでしょう。
現時点では、VRを有効に使える業種は、旅行や自動車、不動産、アパレルなどに限られています。
とは言え、成功事例のない業種で、VRが全く使えないというわけでもありません。
しかし、成功事例がない分、大きな投資になるおそれもあるでしょう。
VRは今後世界中で普及していく
さらにVRは、ARほど浸透しているとはいえません。
フォレスターリサーチの報告によると、アメリカの成人46%はVRを体験したことすらないのです。
VRマーケティングの成功は、消費者にVR技術が広く浸透することがカギとなります。
しかし、広まってからでは、ライバルに埋もれてしまいます。
VRの可能性を信じ、マーケティングにおける地位を確立することが重要ともいえるのです。
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