近年、VR技術が様々なビジネスで利用され始めています。特に、写真を利用した360°パノラマVRは、比較的簡単に作ることができるため、不動産の内見や施設の案内など幅広く利用されています。
しかし、実際の写真を利用して作るパノラマVRの場合、仮想空間内を自由に動き回ることはできません。そのため、場面を切り替えて移動を行うのですが、不自然な切り替わりになったり表示が歪んだりするという課題があるのです。
この課題を解決するため、大日本印刷が高品位なパノラマVRを容易に作成できるシステムを開発しました。
この技術を使えば、2地点から撮影したパノラマ写真だけでパノラマVRを作成することができます。さらに、パノラマVRに発生する、画像の重なりや歪みも抑制することができます。
・高品位パノラマVR技術が持つ3つの特徴
大日本印刷の高品位パノラマVR技術は、画像解析と描画の理論を組み合わせて開発されています。これにより、撮影した2地点間のどの位置からでも、人が見ている光景を再現することができます。
では、その特徴を紹介していきましょう。
特徴1:撮影地点間で自由に視点を変更できる
従来のパノラマVRの場合、撮影した位置から360°見渡すことしかできませんでした。
高品位パノラマVR技術を使えば、撮影した2地点の間ならどの位置からでも360度の光景を再現することができます。これは、2つの地点のパノラマ写真に記録された、被写体の位置を解析することで実現します。
特徴2:視点変更時も鮮明なパノラマVR
従来のパノラマVRは、場面を切り替えた際に、不自然な切り替わりや画像の歪みが出るという問題がありました。
高品位パノラマVR技術を使えば、不自然な画像のゆがみや切り替わりを低減できます。CGで作成したVR空間のように、鮮明な画像のまま2地点間を滑らかに移動できるようになります。
特徴3:素早く安価にVRが制作できる
CGでパノラマVRを作成すれば、画像のゆがみや重なりはなくなります。また、VR内を動き回ることもできるようにもなります。
しかし、CGによるパノラマVRは制作費が高額になり、時間もかかると言う問題があります。
高品位パノラマ技術を使えば、2地点で撮影したパノラマ写真だけで簡単にパノラマVRを作成できます。CGと変わらないクオリティのパノラマVRを、低コストかつ短期間で作成できるようになるのです。
今回開発された、高品位パノラマ技術を活用すれば、企業のVR活用の幅がさらに広がりそうですね。
大日本印刷でも高品位パノラマVR技術を、歴史的建造物のアーカイブ、工場施設や不動産の見学、観光地のナビゲーションなどのコンテンツ制作に活用していくそうです。
どんどん、企業がVRを活用しやすい環境が整っています。ぜひ、活用を検討してみてください。