もしもの火災や災害に備え、日頃から避難訓練を行うことは重要です。しかし、最近では多くの自治体や企業が、防災訓練の参加者低迷に頭を悩ませています。
このような現状の改善が期待できる施策が、VRを活用した避難訓練です。VRを活用することで、避難訓練に興味を示さなかった人の関心を引くことができるというわけです。
さらに、没入感の高いVRを使えば、災害の現場をリアルに体験することができます。これにより、訓練の効果もアップすることが期待できるでしょう。
株式会社理経では、2年前よりVRで避難訓練ができる「避難体験VR」を提供しています。2018年度だけでも50以上の避難訓練で活用され、5000人以上が実際に火災から避難する体験をしています。
すでに大きな実績を残している「避難体験VR」ですが、2018年5月、さらにパワーアップしたようです。
・スタンドアロン型VRヘッドセットを採用
今回、提供が開始された「避難体験VR」では、ワイヤレス・スタンドアロン型VRヘッドセットが採用されています。
スタンドアロン型VRヘッドセットとは、PCやスマートフォンが不要のデバイス単体で機能する一体型のVRヘッドセットです。
これまでのVR体験は、VRヘッドセットとPCをケーブルで接続する必要がありました。これでは体験者の動きに制限がかかり、体験のリアリティを阻害する恐れがあります。
また、VR空間で体験者の動きをVR空間内で再現するには、トラッキングポイントを設置しなくてはなりません。そのため、これまでのVRでは、限られた条件でしか体験を実施することができなかったのです。
今回、スタンドアロン型VRヘッドセットに採用されたワイヤレス・スタンドアロン型VRヘッドセットは、ケーブルなしでVRを体験することができます。また、モーショントラッキング機能も内蔵されているので、どのような場所でも気軽にVR訓練を実施することができます。
手軽に持ち運べるようになったため、様々な場所でVR訓練が実施できるようになるでしょう。スタンドアロン型VRヘッドセットを採用した「避難訓練VR」は、スタンドアロン型VRヘッドセットが日本初となります。
・実際に歩いて避難を体験
「避難訓練VR」は、建物内部が実寸大で再現されています。体験者は、誘導等にしたがって、VR空間内を自分の足で歩きながら避難口を目指します。
建物内部に煙が充満し、前かがみにならないと何も見えないといった体験も可能です。内蔵されたモーショントラッキングにより、体験者の身体の動きは忠実に再現されます。
体験者が歩き回るため、訓練の実施にはある程度広い場所が必要です。もし、スペースがない場所で実施する場合は、コントローラーで操作し移動することも可能です。
「避難訓練VR」では、建物の構造を自社向けに変更することもできます。実際の建物と同じ構造にすることで、より効果の高い避難訓練を実施することができるでしょう。
また、選択肢を表示して判断を問う内容にすることもできます。この訓練をしておけば、咄嗟の判断で間違えることを防ぐことができるでしょう。
災害はいつどこで起きるかわかりません。もしものときに適切な行動が取れるよう、日頃から訓練を行うことはとても重要です。
VRを訓練に活用すれば、あたかも災害現場にいるかのような感覚で訓練を行うことができます。この体験は、いざというとき必ず役に立つでしょう。ぜひ、避難訓練にVRを活用してみてくださいね。
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