長崎の教会群とキリスト教関連遺産は、長崎県と熊本県にある教会、キリスト教に関わる史跡、文化財の総称です。
ユネスコの世界遺産暫定リストへ、掲載が決まっています。
この長崎の教会群をVRコンテンツ化し、観光客誘致や教育へ利用する準備が、経済産業省の「先進コンテンツ技術による地域活性化促進事業」として実施されています。
この取り組みは、株式会社ハコスコが主体で行われています。
現在、ハコスコが運営する360度コンテンツ共有プラットフォーム「ハコスコストア」内に「Nagasaki_VR」チャンネルとして10のコンテンツが公開されています。
では、VRコンテンツがどのようなものか見ていきましょう。
長崎教会群VRで体験できるVRはどんなもの?
「長崎教会群VR」は、協会の外部から内部までバーチャルツアーが体験できる内容となっています。
人の目の高さで教会の内部まで体験できる「ウォークスルー」や、小型ヘリコプターの視点で教会を上からも眺めることのできる「フライスルー」などが用意されています。
「長崎教会群VR」では、普段は立ち入ることのできない教会の内部まで収録することに成功しています。
そのため、現地に行ってもできない体験をすることができます。
特に黒島教会は、今後数年間耐震工事を行なうため、工事中は近寄ることができなくなります。
また、工事により多少姿が変わる場合もあるので、現状を記録した貴重な資料になるでしょう。
「旧野首天主堂ハイジャンプ」では、「日本列島VR」とのコラボも行われています。
こちらのコンテンツでは、教会から高度数100メートルまでジャンプする体験をすることができます。
「日本列島VR」は、国土地理院の基盤地図情報をもとに作成したリアルな地形が特徴です。
そのため、教会周辺の島々の地形などを詳細に体験することができるでしょう。
制作に活用されたフォトグラメトリーとは?
制作には、フォトグラメトリーという技術が使われています。
この技術は、被写体を様々なアングルから撮影した静止画から、3Dオブジェクトを作成する技術です。
写真を基に作成するので、より現物に近い3Dオブジェクトを作ることができます。
「長崎教会群VR」の撮影では、主にドローンを使って行われています。
また、樹木などがありドローンが利用できない場所や教会の内部は、360°カメラにより撮影されています。
「長崎教会群VR」は、足を運びにくい離島にある教会を中心に制作されています。
このVRコンテンツを世界中に配信すれば、離島の魅力を伝えることにもつながり、観光客の増加にも期待が持てます。
VRは未来に日本の姿を残すことができる
日本各地には、たくさんの遺産が存在します。
これらをVRコンテンツ化することで、未来に今の姿を残すことができるでしょう。
できあがったVRコンテンツを活用することで、自宅にいながら旅行に行った気分を味わうこともできるようになります。
また、教育の現場に活用すれば、より遺産への理解を深めることもできるでしょう。
今後、日本各地の貴重な遺産へ広まっていくことを期待したいところです。