建設業の現場においても、VRやARの活用が進んでいます。
設計データの詳細をVR空間で確認したり、ARデバイスを使い実際の施工現場でモデルを確認したり、機材メンテナンスのトレーニングに活用したり、その利用方法は様々です。
利用方法はたくさんあるとは言え、AR/VRコンテンツを建設業で利用するには、3D CADデータなどをAR/VRで使用できるように変換する必要があります。
しかし、それを実現するためには、いくつか乗り越えなくてはならない課題があります。
・建設業に立ちはだかるAR/VR活用の課題とは?
その課題の一つとして、ソフトウェア環境やファイルフォーマットが煩雑であることがあげられます。
世の中にはいくつものCADソフトウェアが販売されており、それぞれ仕様やファイル形式が異なります。そのため、CADデータをそのままAR/VR開発用のデータとして読み込むことが極めて困難なのです。
また、CADデータのデータ量が膨大であることも弊害となります。
CADデータをAR/VRコンテンツに加工しようと思ったらデータを軽量化する必要があり、かなり手間がかかる作業になってしまうのです。
この二点が弊害となり、3Dデータは膨大にあるにもかかわらずAR/VR分野ではなかなか活用できていません。このままでは、企業が持つ資産を有効に活用することができず、建設業におけるAR/VR技術の進歩が遅れてしまうかもしれないのです。
そこで、このような現状を解決するために開発されたのが「AR CAD Cloud」です。「AR CAD Cloud」を使えば、3DデータをAR/VRデバイス向けに自動変換することができます。
・「AR CAD Cloud」のここが凄い!!
「AR CAD Cloud」は、ソフトバンク コマース&サービス株式会社が、株式会社ホロラボと共同で開発しました。
HoloLensとPCかスマートフォンさえあれば、どこでも手軽にCADモデルをクラウド経由で3D化することができます。
最小限の機材で3D化が行えるため、営業先でお客様のデータをすぐに変換し有効活用することもできるでしょう。
また、「AR CAD Cloud」を使うために、CADの詳しい知識やAR/VRのスキルは必要ありません。ブラウザ上の専用ページからファイルをドラッグ&ドロップしてアップロードするだけで、自動的にAR/VRデバイス向けファイルに変換することができます。
ファイルは見栄えの変化を極力なくした上で、軽量にできるよう最適化されます。さらに、Autodesk社のソフトウェアで活用できる各種データ形式、中間ファイル形式など、主要なファイル形式に対応しているので、ほとんどの企業でそのまま利用することができるのです。
「AR CAD Cloud」を活用すれば、変換した3Dデータをその場でARやVRを通じて表示することも可能です。この機能を使用すれば、CADのデータをより立体的に確認することができるようになるため、ミーティングで問題点を早期に発見できたり、より開発のスピードが速まったり、多くの好影響を及ぼしてくれるでしょう。
この機能は、建設業だけでなく製造業でも力を発揮してくれます。ぜひ有効に活用して、仕事の効率や精度を上げ、生産性を向上してくださいね。