鹿児島県肝付町は、本土最南端の大隅半島に位置する自然豊かな町です。最先端固体燃料ロケット「イプシロン」の発射場である内之浦宇宙空間観測所があるため、宇宙に一番近い町を名乗っています。
肝付町はこれまでも、ロケットや宇宙を身近に感じることができる町であることをアピールしてきました。そして今回、地域創生プロジェクトの一環として「VR宇宙美術館」のコンテンツを制作しています。
「宇宙×VR×地方都市」という新しい取り組みにより、肝付町に対する認知度アップやイメージアップを目的としています。
に
・宇宙の不思議をVRで体験
「VR宇宙美術館」では、宇宙にまつわる3つのテーマを題材にしたVR作品が作られています。
一つ目は、光の速さを体験できるコンテンツです。VRとCGを駆使して作られた臨場感あふれる映像で、宇宙における惑星間の移動を体験することができます。
二つ目は、宇宙の広さを体験できるコンテンツです。VRとプロジェクションマッピングによる演出で、宇宙のスケールを肌で感じつつ、無限について学ぶことができます。
三つ目は、無重力空間の宇宙に漂う体験ができるコンテンツです。宇宙を漂う眼下には、最先端技術で再現されたリアルな地球が広がります。あなたは、本当の地球の姿を体感することができるでしょう。
さらに今後は、美術館に所蔵されている美術品をVRコンテンツに追加する予定となっています。このコンテンツが追加されると、宇宙美術館らしさはさらに増すことでしょう。
・ふるさと納税の寄付金で開発
「VR宇宙美術館」の開発は、ふるさと納税を活用したクラウドファンディング「ガバメントクラウドファンディング」で調達したお金が使われています。
「ガバメントクラウドファンディング」は、自治体がプロジェクトオーナーとなり、広く資金を調達する仕組みです。肝付町はこのプロジェクトを12月に実施し、2800万円以上も寄付金を集めることに成功しています。
寄付への返礼品には、プロジェクトで制作したコンテンツを楽しむことができるよう、VR体験用の機器も特別に用意されていました。また、通常の肝付町の「ふるさとチョイス」の返礼品も選択できたようです。
「VR宇宙美術館」は、基本的には肝付町でしか体験することができません。これは、肝付町に関心を持ってもらい実際に訪れてもらうためです。
とは言え、何も発信しなければ興味も持ってもらえません。そのため、YouTubeなどでコンテンツの一部が発信される予定となっています。公開された際には、ぜひ体験してみてください。
コンテンツの一部を体験すれば、きっと肝付町で本格的な体験がしたくなるでしょうね。肝付町への観光客が増えることは間違いないでしょう。
「VR宇宙美術館」が、地方活性化にVRを活用した好例になればいいですね。