360°カメラが普及してきたことにより、誰でも簡単に360°のパノラマ映像を撮影できるようになりました。そして、360°映像を用いれば簡単にVRコンテンツも作成することができます。
ただし、VRコンテンツをビジネスで活用する場合、アプリやWebなどで公開しなくてはなりません。これには専門の知識や設備が必要なため、なかなか自社でVRコンテンツを運用するのは難しいというのが現状です。
そこで登場したのが、凸版印刷が提供する「doitVR」です。「doitVR」を活用すれば、特別な知識や設備がなくても、簡単にVRコンテンツを制作し公開することができます。
・「doitVR」のここが凄い!!
「doitVR」は、VR静止画用のシステム「PANOCLOUD360」とVR動画用のシステム「dougaVR」に加え、VRオブジェクトを自動生成するシステムを合わせてパッケージ化したものです。
これを活用すれば、空間の360°画像や映像に加え、対象物を自由に回転させて閲覧できるコンテンツも、簡単に制作し公開できるようになります。
VRオブジェクトの作り方はいたって簡単です。まず、対象物をカメラの動画モードで、ぐるっと1周撮影します。その動画をクラウド上のシステムにアップロードするだけで、VRオブジェクトが自動生成されるのです。
制作したコンテンツは、パソコンはもちろんスマートフォンでも閲覧することができます。そのため、スマートフォンをセットするタイプのVRヘッドセットを用意するだけで、高い臨場感を提供することが可能となります。
・高山市がプロモーションに導入
「doitVR」の本格的な販売に先立って、岐阜県高山市がプロモーション活動の一環として導入しています。2017年度から取り組む景観刷新事業として、祭屋台や照蓮寺本堂など、高山市にある33の日本遺産主要構成文化財をVRコンテンツ化しているのです。
このVRコンテンツは、文化財が置かれている場所に設置されているQRコードを読み取ることで閲覧できます。
また、凸版印刷が提供している観光アプリ「旅道®-TABIDO-」から閲覧することも可能です。
今後は、自治体や観光業界だけでなく、メーカーや住宅業界に向けても広めていくそうです。
VRオブジェクトの技術が広まれば、今まで触ることのできなかった貴重な文化財や芸術品を、細かに閲覧することができるようになります。ショーケース越しではわからなかった模様や裏側なども見ることができるので、観光がより楽しくなることは間違いないでしょう。
また、撮影するだけでVRオブジェクトが作れるので、データを収集する際に文化財に傷をつける心配もなさそうです。どんどん広まって、色々な文化財を間近で見てみたいものです。
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