VRを使ったコンテンツ産業には、様々な分野から注目が集まっています。
もちろん国もVRには注目しており、様々な取り組みが進められています。
その取り組みとして、2018年2月20日、経産省の本館にて「経産省・文化庁 合同VRコンテンツセミナー」が開催されました。
このセミナーは、経済産業省と映像産業振興機構(VIPO)が主催となり、「先進コンテンツ技術による地域活性化促進事業」の一環として開催されています。
このセミナーでは、経済産業省と文化庁のVR関連事業の紹介、事業で制作された「VR等のコンテンツ制作技術活用ガイドライン 2018」の説明、採択された支援事業の活動事例などが発表されました。
この事業では全部で14件の事業が採択されていますが、このセミナーでは3社が支援事例として紹介されています。
では、紹介された事例をそれぞれ見ていきましょう。
株式会社IMAGICA でのVR導入事例
株式会社IMAGICAでは、三宅島にたくさんある火山の景観を、高画質・高品位のVRカメラで撮影しています。
また、立体音響による音響設計を行うことで没入感のある映像を制作しています。
VR動画をネットやイベントで発信することで、2000年の雄山噴火より半減している観光客を呼び戻すことを狙いとしています。
また、ネットを通じて世界へ発信することで、インバウンドなどもターゲットとして誘引することを目的としています。
他にも、来島した観光客が悪天候などにより屋外に出られない場合に備え、VR映像を用いて疑似観光体験が行える「着地型観光」のメニューの一つとして展開していきます。
株式会社NHKエンタープライズでのVR導入事例
株式会社NHKエンタープライズでは、日本各地に現存する歌舞伎小屋を舞台に、歌舞伎やその小屋を育んだ地域の魅力を伝えるコンテンツを制作しています。
臨場感あふれる体験ができるドーム映像・VR映像の特長を活かし、地方の知られざる文化財を国内外の人々が認知し訪問するきっかけになることを目指しています。
株式会社五藤光学研究所でのVR導入事例
世界唯一の全球360度撮影可能なドローンを使い、石川県を体感できるVRコンテンツを作成します。
石川県の代表的な観光地(夏の千枚田、秋の白山紅葉、雪の兼六園等)を撮影し、ナレーターにも地元出身のミュージシャンを起用しています。
普段は見ることのできない、様々な石川県の顔をVR体験にすることで、石川県への来訪者の増加と先進的な映像編集技術を石川県に残すことを目的としています。
VR製作技術活用ガイドラインを作成
この事業では、VR技術の普及促進のために、VRコンテンツ制作の知見などをまとめた「VR等のコンテンツ制作技術活用ガイドライン2018」も作成しています。
このガイドラインは、これからVR事業を始める企業がVRを上手く使いこなすため、業界に蓄積されてきた制作に関するノウハウをまとめたものです。
ガイドラインは、VRコンテンツ制作の入門書と位置づけられており、コンテンツ制作手法やその注意点、VRならではの没入感を目指す狙いなどが広く紹介されています。
ガイドラインの概要を説明した資料は、VIPOのホームページなどにてダウンロードすることができます。
このセミナーには、事前の予定を大幅に上回る300名以上の方が来場しています。
このことからも、VRへ注目する企業が非常に多いことが伺えます。
まだまだVRは登場したばかりなので、その活用方法が見いだせない企業も多いかと思います。
そこでまずはこのガイドラインを活用し、自社での取り組みを考えてみるのもいいかもしれませんね。
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