地震や火災などの災害が起こった際、自分の身を守るためには防災訓練が不可欠です。もしものときに訓練通り動けるわけではありませんが、訓練もしていなければどうしていいか分からず動けなくなる可能性が高いでしょう。
そのため、会社や地域などで定期的に防災訓練が実施されています。そして、防災訓練をより効果的にするために東京消防庁が導入したのが「VR防災体験車」です。
VRを活用することで、災害発生時の状況をリアルに体験することができます。その体験は、自分自身の体が体験として記憶することにつながるので、災害発生時も適切な行動ができるようになるというわけです。
・五感で災害を体験
今回導入されたVR防災車の愛称は「VR BOSAI」です。1億3000万円を投じて製作されました。
映像で災害を体験するだけでなく、椅子や足元が動き揺れを再現したり、空気や水しぶきを発したり、匂いや熱を発したりすることで臨場感を高めています。
全長約12メートルのトラック内部には、8人分の座席が準備されています。体験車はこの座席に座り、VRゴーグルを装着して、災害の状況を体験します。
360°見渡せるVR映像と、展開にあわせた揺れや匂いで、災害を五感で体験することが可能となっています。
・3つの災害をリアルに再現
「VR BOSAI」では、「地震編」「火災編」「風水害編」の3つの災害コンテンツが用意されています。それぞれ約3分間のコンテンツで、災害発生からの様子をリアルに体験することができます。
たとえば地震編のコンテンツは、緊急地震速報が鳴った後、震度7の地震が発生します。テーブルの下に隠れますが、部屋の家具などが倒壊し救助されるまで閉じ込められるというシナリオです。
また、火災編は、キッチンで鍋が炎上するというシナリオです。座席に座っていると、焦げ臭いにおいとともに熱風が吹き出し、実際の火事の現場にいる気分になることでしょう。
東京消防庁では、首都直下地震などの大規模災害への備えを進めており、平成27年度から10年間で訓練参加者数2000万人を目標としています。「VR BOSAI」は、新たな訓練参加者の掘り起こしや、魅力ある訓練を提供するために作られました。
今後「VR BOSAI」は、様々なイベントに出向き、参加者に災害を体験してもらう予定となっています。VRを用いた災害の疑似体験は、イベント参加者の興味をひくこと間違いなしでしょう。
イベントなどには積極的に参加するようなので、東京に出かけた際に見かけることもあるかもしれませんね。東京以外では体験できないものなので、見かけたらぜひ体験してみてください。
きっと防災への意識が高まることと思います。このような取り組みが、日本全国へ広まって欲しいものですね。
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