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VRで正しい判決を。司法の場にも広まるVRの活躍ぶりを解説

VR 裁判

エンターテイメントや企業のPR活動などで注目が集まるVRですが、この技術が今後、司法の現場で活躍するかもしれません。

というのも、事件現場をVRで精確に再現し、実際の裁判事件に使用する試みがイギリスで行われているのです。

 VR 裁判

 

このプロジェクトは、イギリスのスタッフォードシャー大学によって行われ、14万ポンド(2200万円)の研究費が投じられています。

VRを活用し、事件が起きた現場を精密に再現することで、事件を審議する陪審員の理解度を高め、最善の解決策を見つける手助けをすることを目的に、技術の開発が進められているのです。

このシステムに利用されるVRヘッドマウントディスプレイは、「HTC Vive」となります。「HTC Vive」は、VR空間を移動する事ができるので、事件現場の検証には最も適しているといえるでしょう。

HTC Vive

地元警察や法務省からも好意的な意見が多く、近い将来イギリスの裁判の現場に導入されるかもしれません。

 

一方、懐疑的な意見も少なくありません。裁判所へのデジタルシステムの導入は、審議の遅延を引き起こす原因となり、これまであまり上手くいっていないからです。

ある地方弁護士からは、「これまでのビデオカメラや写真との違いはあまり感じられない」との意見も出ています。

 

とは言え、VRは実際に起きたことを陪審員が体験できるという意味で、大きな可能性を秘めています。VRを導入することで、犯罪学者や陪審員、捜査機関にとって選択肢が増えることに間違いはないのです。

 

VRで犯罪現場を再現 

20183月には、中国の裁判で実際にVRを使い犯罪シーンが再現されました。

HTC Vive」のヘッドマウントディスプレイが裁判所に設置され、殺人事件の証人が犯罪現場を再現しました。

裁判所のプロジェクター画面には、証人視点の映像が映し出され、法定にいる全ての人が事件現場で何が起こったか確認することができました。

 

中国の法定で導入されたVRは、地方裁判所によって開発された「証拠を可視化するシステム」の一部です。

このVRにより、証人が現場で何を体験したか正確に法定に示すことができます。このシステムは今後、北京の法定にも導入される予定です。

 

 

ただ、VRにも懸念される点がいくつかあります。

その一つは、VRが与える臨場感が陪審員の心証に与える影響です。犯罪をVRでリアルに体験することで、事実に対して歪んだ印象を持ってしまうおそれがあります。

また、陪審員のメンタル面への影響も懸念されます。VRの法廷への導入には、このような懸念をクリアするため、慎重な判断が必要になるでしょう。

 

エンターテイメントのみならず、企業PR、教育など様々な場所で活躍を見せるVRですが、今後は司法の現場にも活躍の場を広げるかもしれません。犯罪者が、きちんと裁かれる手助けになることを期待しましょう。

どんどん、色々な活用法が編み出されるVRから、今後も目が離せませんね。

 

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